これまでやってきた健康行動と『養生訓』に書かれていることを照らし合わせる。
今回は「飲食(下)」に書かれている「塩を少なく」について見ていきます。
塩分のとり過ぎはカラダに悪い。
血圧が上がってしまうから。
現代ならよく知られていることですよね。
でも、『養生訓』が書かれたのは1712年。
血圧計が開発されたのは1896年。
『養生訓』が書かれた時代に、塩分のとり過ぎで血圧が上がるなんてわかるわけがない。
にもかかわらず、塩を少なくした方がいいと言うなんて、さすがは益軒先生です。
具体的には次のように言っています。
「朝夕の食事の塩分を少なくすると、のどがかわかず、湯茶を多く飲まない。脾に湿を生じることがないので、胃の気が発生しやすい。」
食事の塩分が多いと、のどがかわいて水分をとり過ぎてしまいます。
そうすると、胃液が薄まってしまって消化が悪くなるということなのでしょう。
血圧が高くなるという理由ではなさそうですね。
それにしても、江戸時代から「塩を少なく」と言われていたのに、現代でも同じことが言われているなんて・・・
平成30年の国民健康・栄養調査によれば、20歳以上の男性で1日11.0g、女性で9.3gの食塩をとっているそうです。
厚生労働省が出している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、1日の食塩摂取目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満。
男女ともに目標量の1.4倍以上も食塩をとっていることになります。
世界保健機構(WHO)の世界基準では1日の食塩摂取目標量を5.0g未満としていますから、われわれ日本人がどれだけ食塩をとり過ぎているかがわかります。
私も妻も、口に入れるすべての食材の食塩量をはかったことがないので、どれくらいとっているかはわかりません。
わが家では、スパイスを活用することで塩分を控えるようにしていますけどね。
わが家では、スパイスを活用することで塩分を控えるようにしていますけどね。
でも、日本の目標量ですら1食あたりの食塩量が2g強であることを考えると、とてもクリアできているとは思えません。
とはいえ、あまり食塩のグラム数を気にすると食を楽しめなくなってしまうので、これまで通り、控えめを心がけるくらいにしたいと思います。
それではまた。
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